絶縁抵抗の基準値と測定のポイント(メガー測定)

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1. 絶縁抵抗とは?まずは基本から確認

絶縁抵抗とは、電気が本来流れるべきではない場所に電流が漏れないようにする「絶縁」がどの程度しっかり保たれているかを数値で表したものです。絶縁が不十分な状態では漏電や感電、最悪の場合は火災につながるリスクもあります。

そのため、電気工事の現場では施工完了後、そして定期点検時に絶縁抵抗計(通称メガー)を使って各回路の絶縁状態を必ずチェックします。

2. 絶縁抵抗測定はいつ行う?

実務では、絶縁抵抗の測定は「ケーブルを分電盤に接続した後」に行うのが基本です。単独のケーブルのみで測定しても、接続部や端子周辺の絶縁状態は確認できません。

また、回路を組み込んだ状態で測定することで、実際に使用される状態に近い環境での確認が可能となり、より信頼性の高い点検につながります。

3. 絶縁抵抗の基準値(JIS C 60364より)

JIS規格では、使用する回路の電圧に応じて以下のような基準が定められています:

回路の定格電圧絶縁抵抗の基準値
100V以下0.1MΩ以上
200V以下0.2MΩ以上

※かつては「電灯回路=0.1MΩ」「動力回路=0.2MΩ」と分けられていた時代もありますが、現在では電圧に応じた基準が主流です。

絶縁抵抗計(メガー)のアップ表示 MΩ単位

4. 測定単位「MΩ(メグオーム)」に注意!

絶縁抵抗は通常、MΩ(メグオーム)という単位で表示されます。これは100万Ω(オーム)に相当し、「どれだけ電気が流れにくいか」の目安になります。

たとえば測定結果が「0.05MΩ」だった場合、それは基準値の「0.1MΩ」を下回るため絶縁不良となり、施工ミスや劣化の可能性があります。

アナログメガーを使用する際は、針が右側に大きく振れる=絶縁良好左に寄る=不良ということも覚えておきましょう。

5. 測定時の注意点と手順

  • 負荷機器は取り外しておく:機器が壊れる恐れがあるため
  • スイッチはONにして測定:回路が閉じている状態で絶縁を確認
  • 他の回路に電圧がかかっていないか確認:誤測定や危険防止のため

測定時には、テストリード(赤・黒)を使用し、接地側と導通側にそれぞれ接触させることで測定します。測定電圧は回路に応じて500Vまたは1000Vなどを選択します。

AIが絶縁抵抗の基準をホワイトボードで解説

6. AIとの連携で絶縁測定の未来が変わる?

近年では、AI技術と測定器の連携により、以下のような進化が始まっています:

  • 測定値を自動でクラウドに記録・グラフ化
  • 異常値の傾向をAIが自動で分析し通知
  • 帳票作成や報告書作成の自動化

これにより、点検記録の信頼性が向上し、施工後のフォローアップも容易になります。今後は「測るだけ」から「予測する測定」への進化が期待されています。

7. まとめ:絶縁抵抗測定は“基本に忠実に”がカギ

絶縁抵抗の測定は、電気工事の安全性を確保するための基本中の基本です。JIS基準を理解し、適切なタイミングで、正しい方法で測定することが重要です。

特に「ケーブルを接続した後に測定する」「測定単位を正しく読む」「MΩで表示されているか確認する」など、細かな部分が現場の信頼性を支えています。

そしてこれからは、AIと組み合わせることで人の目・判断をサポートする新しい点検スタイルが広がっていくはずです。

現場の安全と効率のために、今日からメガー測定をレベルアップしていきましょう!

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